雪の修学院離宮

京都府京都市左京区修学院藪添

2006年1月24日

修学院離宮を参観するのには4人グループを限度として往復ハガキで申し込みます
多数の場合は抽選となります。私達は3回目の申し込みで当選して念願の参観が出来ました
1月24日は京都は雪が舞い散り。幻想的な墨絵の中の離宮参観は感動的でした
参観して第一印象は山荘の簡素な美しさ、自然を取り入れた豊かな田園風景に心を奪われました

修学院離宮は後水尾(ごみずのお)上皇によって造られた上皇の離宮である。1656年(明暦2)
後水尾天皇が位を退かれ、上皇となられて仙洞御所にお移りになられて30年を経た1659年、かねてより懸案とされていた離宮造営の一応の工事が成り、完成の「おふるまい」が催されている。
後水尾上皇は「おふるまい」から85才で崩御になるまでの20年ほどは、ほとんど毎年一度ないし三度、修学院離宮に清遊されている。
上皇はご自身でお造りになった離宮をそれほどまでに好まれ、満足されていたのである。
上皇の後では、霊元(れいげん)上皇、光格(こうかく)上皇がしばしば修学院離宮に行幸になり、上皇の庭・帝王の庭として知られている。
比叡山・音羽山の裾野に広がる広大な敷地に、松並木で結ばれた下御茶屋、中御茶屋、上御茶屋という3つの庭園が配されている。
総門を入った所が下御茶屋で、数寄屋造の寿月観[じゅげつかん]と茶室蔵六庵、池泉観賞式庭園がある。
続く中御茶屋は、華麗な装飾が施された客殿が見事で、天下の三棚の一つの霞棚も忘れずに見たい。
上御茶屋は、浴竜池を中心に小茶室を配した大庭園。山腹に立つ茶室隣雲亭からの眺望はすばらしい。
現在の修学院離宮は面積約54万5000平方メートル下、中、上の三つの離宮が田圃や背景の山を取り囲み、また京都の山々や市街までも借景にして展開している

表総門
表総門は左右に磨き竹の袖塀をしつらえ太い磨き丸太門柱の間に、磨き竹の門扉を取り付けた簡素な形式
桂離宮の表門と比べて一廻り大きいが同じ形式。袖壁は桂離宮と異なり、腰から下に切り石を組み土が盛られている

下離宮


御幸門

下御茶屋への入口で、御幸門は石段の上に西に面して建つ、軽やかな葺きの屋根を持つ簡素な門
両袖には袖塀を設け、扉には大きな花菱形の透かし紋様が施されている
行幸の際などに用いられた門だが、創建当時は現在のものとは位置も形式も異なっていた

下御茶屋御輿寄
中門を入った左手の段のついた坂の奥に位置する
寿月観の玄関にあたり、内部は十畳半の間である
入り口外側には舞良戸がしつらえられ、内側中央には幅の広い明障子が2枚はめられたおり、
その白さが、紅殻色の土壁の対照が美しい

苑池・・寿月観と苑池
御輿寄を左手に進むと、苑池に至る
苑池の周囲には楓やつつじが多く植えられて、
春の新緑、秋の紅葉が寿月観の紅殻色の土壁に映えて、それらを映し出す水面の状景は、四季折々の趣きが有る
見える灯篭は朝鮮灯篭で四隅に反りをもたせた笠の上に切籠形(きりこ)の宝珠を乗せる。足元を照らす為に比較的に背が低い

寿月観(じゅげつかん)
寿月観は池を掘った土を盛り、石垣を土留めした高みに建つ、数奇屋風の建物
創建時の建物は失われて、現在の建物は文政年間に旧規の通り復興された
後水尾上皇行幸の際の御座所で、生活のしやすい造りになっている
主座敷のある一の間から鉤形に折れて二の間・三の間が連なり、それぞれに間の前面には明障子を建てて濡れ縁を巡らせている
屋根は柿葺きで一の間側は寄棟造り。三の間は入母屋造り


扁額「寿月観」は後水尾上皇の宸筆

寿月観の一の間

寿月観の一の間・上段は主座敷、飾り棚と脇床(琵琶置き)

二の間その奥が三の間

寿月観前庭・滝口と鑓水

寿月観前庭

下御茶屋の東門(下御茶屋の出口)

御茶屋山


門を出ると視界が開けて御茶山を借景に壮大な風景

御茶屋山に向かって延びる松並木は上御茶屋への連絡路


中離宮

楽只軒・・・・中御茶屋は寛永年(1668)に第八皇女朱宮光子内親王の為に造営された
客殿・・・・・・東福門院の女院御所の対面所
林丘寺・・・・院崩御後に得度された朱宮が開山された

中御茶屋表門
竹を詰張りした袖塀付き表門

中御茶屋中門
柿葺きの廂に襷掛けの2枚扉で直線的で簡素な美しさ

楽只軒(らくしけん)
朱宮御所の最初の建物で一の間と二の間からなる


楽只軒横庭

楽只軒

楽只軒

楽只軒前庭

楽只軒前庭

客殿
入母屋造り栩葺き(とちぶき)の宮殿建築
東福門院の女院御所にあった、奥対面所で門院の没後(1678)此処に移された


客殿

客殿一の間

霞棚

客殿二の間

一の間の板戸

林丘寺跡旧表門

上離宮

上離宮は谷川を堰きとめて作った苑池を中心に造営されている


中御茶屋から上御茶屋に向かう田園風景

中御茶屋から上御茶屋に向かう松並木

上御茶屋御成門


上御茶屋御成門

隣雲亭
上御茶屋の中で最も高い所にある、展望のために設けられた小亭


隣雲亭の遠景

隣雲亭から浴龍池との眺望

隣雲亭から千歳橋の眺望

雄滝

千歳橋
浴龍池には3つの島が浮かんでいる
島に渡るのが千歳橋

きゅうすい亭
中島の小高くなったところに有る小亭
後水尾上皇の創設当時から現存する唯一の建物


扁額は後水尾上皇の宸筆

きゅうすい亭

きゅうすい亭の遠景

土橋と御舟屋
中島から北側の対岸に向かって架かっている
土橋と呼ばれているが、桁の上を土で覆っているためこの名がある